JASPA インタビュー企画販売員のお仕事内田奈津美さん(umber_vintage 経営者)内田奈津美さんプロフィール学生時代に古着屋でアルバイトをしたことをきっかけに古着に魅了され着の魅力をお客様に伝えたいという思いで接客に励み、店長まで務める。その後、自身のお店「umber_vintage」をオープンさせ、販売員として接客もしながら、スタッフ育成、海外への買い付けなども行う。現在は店舗運営、買い付けだけでなく、ポップアップショップへの出店など新たな事業にも挑戦中。中学生のころに魅せられた、原宿のストリートカルチャーファッションや洋服に興味を持ったのは、中学生の頃だったと思います。雑誌をパラパラとめくっては、「かわいいな」と思う服に心を奪われていたのが、最初のきっかけです。当時から原宿をはじめとするストリートカルチャーにすごく惹かれていて、「じゃあ、実際に行ってみよう!」と思って足を運んでみたんです。原宿の街で人間観察をしてみたり、行き交う人たちの着こなしを眺めたりしているだけで、洋服の世界ってなんて面白いんだろうと夢中になっていきました。当時の私は学生でお金もなく、憧れのハイブランドや凝ったデザインの服を次々と買うわけにはいかなかったのですが、そんな中で出会ったのが「古着」でした。古着なら、リーズナブルな価格でありながら、ほかの人とは違うデザイン性の高いものや、自分だけの特別な一着に出会うことができます。「あ、これ好きかも」と思える服に出会えたときの高揚感が、私の古着好きの原点ですね。ヴィンテージの洋服には、国や年代によってさまざまな違いがあり、一つひとつのアイテムに深いディテールやストーリーが詰まっています。もともと映画を見るのも好きで、さまざまな年代の服に触れるうちに、いろんなジャンルや年代の古着も大好きになり、地元にあるような普通の量販店にはない魅力が詰まった古着の世界にどんどん引き込まれていったんです。洋服が持つ個性や、その時代ごとの空気感そのものが、私にとってたまらなく面白かったのです。履歴書を持って飛び込んだ、古着屋さんでのアルバイト「洋服が好き、古着が好き、人と話すのも好き」という気持ちが自然と高まっていく中で、「働くなら大好きな古着屋がいい」と思うようになりました。当時は今みたいにSNSの求人募集が盛んな時代ではなかったので、自分が「可愛いな」と思っている古着屋さんに、履歴書を持って直接飛び込んだんです。いわゆる突撃ですね!(笑) アルバイトを始めてからは、「せっかく採用してもらったんだから、何か結果を出したい、頑張りたい」という気持ちがすごく強かったのを覚えています。接客についての専門的な学校に行ったわけではなく、接客のノウハウはすべて独学というか、働きながら自然と身につけていったものです。自分が好きで選んだ空間に立っているからこそ、お客様と接する時間が楽しくて仕方がありませんでした。当時のオーナー(店長)は私の意見をよく聞いてくれて、自由にやらせてくれる環境を作ってくれました。もちろん、ただ「やりたい」と言うだけでなく、「最近のお客様の層はこうだから、こういうアイテムを仕入れたら動くと思います」「私はこういうスタイルが好きなので、これを仕入れて絶対に売ります」といった提案やプレゼンを自分なりにしていました。お店に立つということは、お店の「顔」になるということですよね。だからこそ、アパレルの販売員にはある種のカリスマ性や説得力が必要だと思っていましたから。オーナーも「そこまで言うならやってみればいいよ」とチャンスをくれました。 チャンスをもらったら、絶対に結果で応えたいチャンスをもらった以上は、絶対に結果を出して期待に応えなければと思っていました。自分が「ヴィンテージの中でもこういう格好がしたい、このアイテムなら絶対に売れる」と信じたものを仕入れ、自分のスタイルをもってお客様におすすめする。その期待に応えたいという一心でがむしゃらに働き、気づけばお店を任せてもらえるようになっていきました。 オーナーには本当に温かく応援してもらい、良い関係の中で仕事をさせてもらいました。だからこそ、今自分でお店を持って、新しいスタッフが入ってくれたときにも、「あのときオーナーがしてくれたように、私もこの子にチャンスをあげたい、成長できる環境を作ってあげたい」と思うんです。自分が好きだという情熱をエンジンにして、周りの人に支えられ、求められたことに全力で応えていく。その積み重ねの延長線上に、現在のお店があります。完璧なマニュアルがあったわけでも、最初から経営者を目指していたわけでもありません。ただ純粋に「洋服が好き、この世界が好き」という気持ちを貫き、目の前のお客様や環境に向き合い続けてきたからこそ、今の私があるのだと感じています。構成・文:馬場真由写 真:清水洋延