2024年7月26日から8月11日までの17日間、世界中のアスリートがパリに集い、第33 回目のオリンピック競技大会が開催されました。日本選手団の活躍が目覚ましく、獲得した金メダルの数は過去最高の20個。金銀銅合わせて45個のメダル獲得は過去最高の成績でした。皆さんの中にはどんなシーンが記憶に残っているでしょうか?8月28日からはパリパラリンピックが始まりました。全身全霊を捧げてプレーされる選手の皆さまへ、心からエールを贈りたいと思います。アスリートの皆さんが活躍されるためには相当な「技術的なスキル」が必要であろうと思われます。でもそれだけで成果が得られたわけではなさそうですよね。確固たる「技術的なスキル」を発揮させるために、その土台となる「人間性を高めるスキル」を持っているからこそ、世界の頂点に立ち、観る人たちを感動させることができるんだと思いませんか?大リーグで大活躍している大谷翔平選手を観察してみると、それは明らかではないでしょうか。圧倒的な「技術的なスキル」はもちろんですが、それと合わせて大谷選手が持っている世界中の人たちを魅了する「人間性の高さ」があるからこそ、彼の輝きは本物の世界一として称されるのではないでしょうか。AIが世の中を席巻し、私たちが得てきたスキルを一瞬にして超えていく、そして私たちの代替として仕事をこなしていく時代になりました。皆さんが活躍されておられる販売の現場でも、様々な場面にAI の技術が入り始めているのではないでしょうか。私は26 年間のサラリーマン生活を一貫して営業の現場で過ごしました。具体的にはビールメーカーの営業として、飲食店やホテル、野球場でのビール販売のお手伝いをさせていただき、またデパートやショッピングセンターなどでのビール販売にも携わりました。10 年前に会社を離れたので最新の現場の状況は分かりませんが、後輩たちに尋ねると、間違いなくAI により仕事の一部が省力化されているようでした。そのような状況の中、「どのようなスキルを身に付けるか」、またそのために「何を学ぶか」はもちろん大切だとは思いますが、皆さんにはその前に知っておいて欲しいことがあります。それは「ニーバーの祈り」というメッセージに込められているので、まずは読んでみてください。「神よ、変えることのできるものについてそれを変えるだけの勇気をわれに与えたまえ。変えることのできないものについてはそれを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ」この言葉は宇多田ヒカルの「Wait&See〜リスク〜」の歌詞にも出てくるので、既に知っている人もいらっしゃるかもしれませんね。「変えられないものを受け入れる力、そして受け入れられないものを変える力をちょうだいよ♪」これからの時代に立ち向かい、様々な状況変化を乗り越えていく皆さんへお伝えしたいこと。まずは様々な場面で起こる問題・課題の中から「自分で変えることができることは何か」をしっかりと見極めること、そして「自分で変えることができること」に対して勇気と覚悟を持ち、問題・課題の当事者として取り組んで欲しい。そのために、何よりも磨いて欲しいのは「自分で変えられること」なのか「自分では変えられないこと」なのかを見極める力ではないでしょうか。大谷選手も数々のオリンピアンやアスリートの皆さんも、ビジネスや販売の最前線で活躍されているトップパフォーマーの皆さんも、この「見極める力」と当事者として「向き合う力」「実践する力」があるからこそ主体性を持って、自らが描く未来を手に入れているのだと思います。それぞれの力を手に入れるための学び方については、後編でお話しさせていただきますね。文:内田圭介(ブランニュー株式会社代表取締役)1965年、⼭⼝県下関市⽣まれ。キリンビール(株)に26年間勤務し、2014年4⽉に独⽴・開業。在職中は営業⼀筋に様々な得意先に対して課題解決をベースにした共創型セールスを実践するとともに、社内組織改⾰プロジェクトメンバーの⼀員として共創型リーダーシップを発揮した組織開発に貢献する。現在は、コーチングや様々なコミュニケーション術をベースに、『成功の技術』と呼ばれる「原⽥メソッド」や、最新のリーダーシップ・イノベーション⼿法である「U理論」を全国に伝え拡げる活動を推進している。『未来を切り拓く⾃⽴型⼈間・組織の育成を通じて、全ての⼈びと、あらゆる組織の 変容と成⻑に貢献する』ことを研修のビジョンとして掲げている。