Sさんプロフィール 気遣い、心配りがクライアント獲得やセールス実績という成果に繋がる接客業に魅力、楽しさを感じ、2009年 Louis Vuitton Japan株式会社に入社。 入社後は、自身で実績を積み重ねる事でキャリアを掴み取る事が出来るService(Sales)Expertを目指し、2013年に就任(~2016年)。 自身の培ってきた経験やスキルを以って、更なる活躍の場を求めて2017年チームマネージャーへ転身と同時にエキゾチック レザース ペシャリスト(Exotic Leather Specialist)に認定される。 4年間チームマネージャー兼エキゾチック レザース ペシャリストでの業務を経て、2021年ユニバース マネージャ^(Universe Manager)に着任し、現在に至る。やりたいこと、働きたい環境を自分で作ってみたい私はルイ・ヴィトンで働く中で、本当に色々な人から影響を受けてきました。だからこそ、培ってきた接客、販売スキルや様々な経験を自分だけのものに留めておくのは、勿体ないと思っているんです。「自分も周りの人に良い影響を与えられるようになる」。それが私の思い描く店舗、仲間(人材)、チームを創り上げ、自身が理想とする店長に辿り着く事だと考えています。自分のやりたい事、働きたいと思える環境を店長として創ってみたいんです。自分が働いていて楽しいと思える店舗は、お客様にもいい体験が提供できる私が理想としている店舗は、スタッフ1人1人が働いていて楽しいと思える店舗である事。楽しく働ける店舗は、店内の雰囲気が明るくなり、お客様も楽しい時間を過ごせ、ここで時間を過ごせて良かったなと思える体験を提供できると考えているんです。この理想を実現する為には、思いを共有できる「人」が不可欠。ですから、この想いを共有できる仲間と共にこの店舗にまた来たいと思ってくださるお客様が、ルイ・ヴィトンのどの店舗よりも、どのラグジュアリーブランドの店舗よりも一番多い場所にしたいと思っています。ここでないと得られない体験があるという店舗と人財を創りたいんです。 スタッフの個性を発揮できる店舗、人材育成を目指したい理想の店舗を創り上げる為には、一緒にそれを実現してくれる仲間を育てる事がとても大切だと考えています。理想としては「柔軟性」と「素直さ」を持ち、アドバイスをきちんと受け止めて、自分にとっての課題や長所も正しく認識できるような人であってほしいですね。また、その人の個性を尊重する事も重要です。同じタイプの人材が集まっても、私の理想の店舗には近づけないと考えていますので、1人1人の個性を発揮できるような環境であるという事も、私の創りたい店舗における理想の一つです。 私も新人時代に「何か1つでいいから、周りにいる誰にもここは負けないといえるものを見つけなさい」と先輩にアドバイスを貰いました。それは販売員としてだけでなく、社会人としても、ルイ・ヴィトンのスタッフとしても自分の自信に繋がるし、それを追求して昇華された時に「個性」になるんじゃないかとお話しして下さったんです。その言葉で、私も自分が何か周りの人に負けないものが何かないか探し、考えながら仕事に向き合ってきた結果、エキゾチックレザーのスペシャリストになれたという経験に繋がりました。この実体験を経て、人材育成では自分の個性を見つけ、発揮できるように導いてあげられるよう、心掛けています。目標・目的を大事に自分でも強く意識をしていますが、自己分析はとても重要だと思うんです。今自分がやっている事と、目指す理想とのギャップがどのくらいあるのかを確認した上で、そのギャップをできる限り埋めていく。その為には、客観的に見た自身の現状や、本当は何がやりたいのか、どうありたいのかを自認しておかないと、目標や目的が見えてこない。一緒に働いている人には、長い時間を共にしているからこそ、人生においての目標や目的は持っていて欲しいと思うんです。それが働く上での楽しさ、やりがいに繋がっていくと思うので、自分の言葉で「理想、目標、目的」は明言できるようになってほしいと思っています。“引き出す”ことの重要性にも、難しさにも気づいた一緒に働くスタッフの「個性」を伸ばす事、その人の「楽しさ」や「やりがい」を見つけられるようにする為にも、改めてコーチングの考え方の重要性に気づかされています。今までは、自分の経験の中から「こうした方がいいんじゃない?そうすればこう解決できるよ」と教える事が多かったんです。もちろんそれが正解だった事もあると思うのですが、今考えるとコーチングの考え方に従って“引き出す”事をしてあげた方が、その人の本当の成長に繋がったんじゃないかなと思う事もあり、人を伸ばす難しさに直面している真っ最中です。何度も言ってしまうんですけど(笑)、本当にルイ・ヴィトンは「人」がいい会社で、私も多くの先輩にそうして導いてもらってきたので、忙しい中でも覚悟を決めて、スタッフと向き合う時間を創る事が、今の自分には重要なんだと実感しています。文/構成:馬場真由写真:清水洋延