ハラスメント。今の時代、本当に多岐に渡るハラスメントが問題となっていますよね。フキハラ(不機嫌ハラスメント)・・・先日、この言葉をテレビで知った時「えーっ!これって、私でも絶対にやっちゃうよ!」って冷や汗が出ました(笑)。既に、キャリアを磨かれている皆さんは、職場やお客様へ絶対にしてはいけないことは、されていないと思います。そこで、今回は「自分の思考と感情からハラスメントをなくすには」という切り口で「うわっ!気をつけよう!」とセルフチェックしていただけるような内容をお届けします。ハラスメントだけではなく、人生全般に活かせるような 内容としてお読みいただければと思います。まず現実は自分が創るということを腹落ちさせようまずは、「現実は自分が創る」という事を理解ではなく「腹落ち」させてください。「えっ??あんなにひどいことされたのに、それを創ったのは私が原因なの?」と思われる方もいるかもしれませんね。もちろん、全てがそうではないと思います。ただ、言える事は「目の前に起きる現実は『自分のフィルター』を通して観ている現実である」ということです。世界的に有名な心理学者のアルバート・エリスは、「物事には原因と結果しかない。その間に抱く信念(思考)によって観方が変わり、それが人生だ」とも述べています。話を戻すと「自分の受け取り方が現実を創る=自分の想いこみや思考のクセをどう理解し行動につなげるか」が、ハラスメントでも大切だということなのです。自分ルールは相手のルールにはない人はみな「自分ルール」を持っています。「~すべき」「~しなくてはならない」等、生きている中で、場面ごとに頭の中の感情脳で、それを瞬時に判断します。「いい」「わるい」「正しい」「まちがい」などを自分の物差しで判断し、第三者(他者や出来事)に対して無意識にジャッジをします。これを抑えるのが前頭前野にある「理性脳」なのですが、ここが効かないと第三者に対して怒りやストレスが溜まり、攻撃を興します。これが、ハラスメントの原因につながる1つのトリガー(引き金)でもあるのです。不安(見えない・知らない・分からない)やストレスを抱えると人は攻撃的になります。それは、動物が持つ本能である「自己防衛本能」なので、非常に大切。一方で、相手に対してそのジャッジをすることは、自分の感情に「怒り」を生みます。この自分の内面に創られる「怒り」は、1つの出来事だけでなくいろんな場面にも波及します。「悪い事が重なる」とよく言われますが、これはまさに自分の物の観方がそういうルールで生きるからであり、誰かのせい、何かのせいではありません。怒るのはその人に原因があるそして、「怒る」という感情は、実はその人の「自分ルール」に原因があります。同じことをされても、「怒る人」「怒らない人」と様々です。自分が「怒る」のは、自分の中の「怒るツボ」に相手の言動が触れたから。更に大事なのは、その「怒るツボ」を自分に腹落ちさせること。「あー、自分にはこんなツボがあったのか」と気づけば、修正ができます。人の思考切り替えスィッチは、3~6秒でポジティブにもネガティブにも変換すると言われています。ここに気づく事で、怒りを感じたときに、思考をポジティブな方へ変換させることができるようになることで、その先の未来が「良い事が重なる」に大きく逆転します。むしろ、「怒らせてくれてありがとう」と相手に感謝できるようになれたら、更に強力な良い思考の循環になるということを覚えておいてください。愛情を込めて人と付き合う人は、自分の脳にも大きな効果をもたらす 人に対して愛情を込めて付き合うと脳内物質ホルモン「オキシトシン」が、分泌されます。これは、別名「愛情ホルモン」と呼ばれるもの。一番多く分泌されるのは、妊婦さん。そして、男性も愛情深い人は、オキシトシンが分泌されると科学的にも証明されています。このホルモンは、学習意欲向上、記憶力向上、やる気等、自分にも大きな効果をもたらします。ハラスメントをしないために大切なことは、相手や出来事を「いい」「わるい」などの「二極化思考で観る」のではなく、「あの人も自分と同じようにがんばっている。あの人も自分と同じように幸せになりたいと思っているんだ」という「赦す(ゆるす)観方」で捉えると、対応も変わるので、全てが大きく変わりますよ。文:山本忍(マインドフルネススペシャリスト/株式会社アマーイズ 代表取締役)東京に生まれる。立教女学院短大を卒業後、ANAに入社。羽田空港地上勤務(グランドホステス)に従事の後、沖縄県宮古島へ。ホテル開業準備や社員教育、宮古島空港での地上職を経て28歳で親元がある神奈川へ帰郷。ひょんなご縁から日本女子サッカーリーグ(現在のなでしこリーグ)のアルバイトを始め、この経験が元でアスリートマネジメント業界へ転身。日本代表が数多く所属する名門女子サッカーチームのマネージャ→日本代表のJリーガーマネジメントなどでのべ14年間携わる。2010年6月、講演会・研修の講師育成及びプロデュースを行う株式会社アマーイズを設立。講師派遣を行う傍ら、人間関係の失敗や他責思考だった自分の「現実は自分がつくっていたことの氣づき」を経験として自ら「ハラスメント」「メンタルヘルス」「コミュニケーション」などの社会テーマ等、年間のべ100本近くの企業や自治体向け講演、研修活動を行っている。この経験をふまえ、今後は1on1で個々の人間関係や仕事における課題や悩みに寄り添うためのチューニングセッションサービスをスタート。プライベートでは趣味はトライアスロン、ガイドヘルパーとして伴走活動。