現場で働くリーダーの皆さん、いつもお仕事お疲れさまです。今回は、現場リーダーが大切にしたいスキルについて、皆さんに解説させていただきます。私なりに「これは現場リーダーとして活躍するための欠かせないスキルだ!」と考えるスキルは2つあります。それは「気づくスキル」と「気づきを言語化して伝えるスキル」です。※なお厳密に言うと3つありそうな感じですが、「言語化するスキル+伝えるスキル」はセットにして、1つのスキルとさせてください。まずリーダーとして、販売・接遇の現場では、次の3点について意識のアンテナを立て、気づきを大切にすることが大事です。①お客様リーダーとして、販売・接遇のプロとして、まずは積極的にお客様に視線を向けます。いち早くお客様の存在に気づき、声かけ・アイコンタクトを取りながら、お客様を観察し、気づくスキルを発揮します。「お召し物がキレイだな」「荷物が沢山で重そうだな」「暑そうだな・寒そうだな」といった具合に、お客様の状態に気づくことが第1ステップです。そして、気づきを言語化して伝えるスキルの発揮、第2ステップにつなげます。明るい声で、「素敵なお召し物ですね!よくお似合いです」「外、暑いですよね、涼んでいらしてくださいね」「お荷物、預かりましょうか」と声をかけます。これがホスピタリティ、気遣い、すなわち接遇です。接遇は能力です。鍛えなければ身に付きませんし、鍛え続けなければ衰えてしまいます。常日頃からお客様に関心・興味を持ち、しっかり目線を向け、気づきスキルと言語化し伝えるスキルを発揮していきましょう。②店舗・空間・商品(ハード面)続いてリーダーとして、店舗に目を向けます。カウンターの中から出て、お客様と同じ目線・立場から現場を観察することが大切です。店舗の入り口はどうか。窓ガラスや扉に汚れや指紋、シミがないか。外から見て店舗内はどう目に映るか。照明は明るすぎないか、暗すぎないか。商品の展示は適切か、美しいか。私はホテルやレストランで、その空間を眺めることが好きですが、バーカウンターに並ぶお酒のボトルに埃がたまっていたり、上から吊るされているワイングラスにシミがついたりしているのを見ると、「あぁ残念…」と感じてしまいます。実は働くメンバーよりも、お客様の方が、店舗・空間・商品(陳列)の“手の行き届いていない点・至らない点”に気づきやすいものです。カウンターに置かれた時計は正常か、署名いただくペンは滑らかに書きやすいものか(インク切れしていないか)、レジに埃が溜まっていないか、確認しましょう。お客様に「いつ来てもキレイなお店」「ここで買い物をするとテンションが上がる!」と思ってもらうために、お客様目線で店舗を見渡し、空間管理をしましょう。気づくスキルを発揮し、もし修繕や修理が必要な場合にはすぐに関係者に連絡します。本部からの指示で展示方法やレイアウトが定められている場合でも、状況や必要に応じて、「現場では少し違和感があります」「もっとこうした方が良いと思います」と声を挙げることも大切です。リーダーの皆さんの強みは、現場でリアルな店舗を知り尽くしていることですから、積極的に気づきは声(意見・提案)にして届けましょう。③スタッフ・チーム(ソフト面)最後はリーダーとして一番大切な、スタッフ教育の観点です。リーダーとスタッフの違いは、人を育てる・指導する立場にあることです。この点を肝に銘じましょう。私は現場でスタッフを育て、チームを作る際には、KPT法というシンプルなフレームワーク(枠組み)を活用していました。KPT法のKはKeep(継続する&継続してもらう点)、PはProblem(問題点・要改善点)、TはTry(次回挑戦する&挑戦してもらう点)のそれぞれの頭文字を取ったものです。この3つの切り口でスタッフ教育を実践します。スタッフやチームに目を向けて、まずは良いところ、優れているところを探しましょう。「明るくて気持ちの良い挨拶ができる」「コミュニケーションを大切にして良好なチームプレーを発揮できている」といった点がKeepの枠組みに入ります。Keepの枠組みに入った点は積極的に褒めましょう。褒めることがスタッフ・チームのモチベーションの向上につながります。まさに気づき、それを言語化して伝えることが大切です。一方でProblemは是正が必要です。「作業に集中するとお客様への声かけが遅れる」「制服の着こなし・ヘアセットが雑」といった点がProblemです。問題はそのまま放置してはいけません。「ちょっと気づいたんだけど…」と声をかけ、端的に、短くフィードバックしましょう。この時にTryについて、具体的にアドバイスすることが大切です。「作業している時、20秒に1回は目線を上げて、声かけが必要そうなお客様がいないかを確認してね」「シフトに入ったら、スタッフ同士で身だしなみ・印象を見合ってね」といった具合です。優秀なスタッフは問題点を指摘すれば自ら解決・改善ができますが、まだ業務・職場に慣れていないスタッフや新人の場合には「具体的にどうしたら良いか」を伝える必要があります。気づきを基に、どうしたら良いかのアドバイスも言語化し、伝えましょう。最後になりますが、組織におけるリーダーのミッションは、次期リーダー候補を発掘し、育てることでもあります。皆さんのキャリアアップ・ステップアップのためには、今のリーダー職を3年後、5年後に任せ引き継ぐ後進の存在が必要です。次期リーダーを育てるためにも、皆さんの多面的に様々なことに「気づくスキル」と、「気づきを言語化し伝えるスキル」を鍛え、リーダーに必要なこの2つのスキルを次期リーダー候補のメンバーに身につけさせてあげてください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。皆さんの更なる活躍を祈念しています。文:渡辺 整(研修講師・セミナー講師、ワークショップファシリテーター)1983年、神奈川県横浜市生まれ。2006年、都心ホテルに就職。フロント・ベルデスク・コンシェルジュデスクにて接遇・接客を担当。2008年、富裕層向けマンションコンシェルジュ専門会社に就職。東京港区を中心に複数の高級マンションのコンシェルジュチームの立上げ・マネジメントを担当(スタッフ採用・育成を担当)2011年にカフェ経営・運営を経験した後、2013年に大手研修事業会社に就職。研修サービスの法人営業、商品企画開発、新サービス・新規事業立上げ(企業の採用支援、個人の就職活動支援に関するサービスなど)、子会社設立などを経験。2022年に研修講師として独立。