みなさん、こんにちは。気象予報士の松本です。近頃、気候変動で季節の変わり目が難しくなり、夏は猛暑と突然、雨が降る気候に変わってきました。このため、ファストファッションの台頭もあり、消費者は流行よりも気温・天候の実態に合わせて服装を選択する傾向があるようです。夏が始まった合図♪Mrs.GREEN APPLEの「青と夏」は、爽やかで夏を強く感じさせる曲です。この楽曲には「夏が始まった合図がした」と歌詞があります。季節の始まりは人々の心を変えて、新たな行動を起こすことに繋がりますね。お客様に商品のご提案をする際に、「季節の始まりの合図」を理解できると、会話のきっかけになります。また、その年の気候に合わせた服装を知るためのヒントになるでしょう。しかし、気候変動が進展しており、夏は「記録的な暑さ」と「ゲリラ豪雨」のような極端な気象現象が増えてきました。お客様への商品の提案には、「季節の始まりの合図」とともに「気候変動に適応」した服装選びがキーワードになってきたと感じます。アパレル業界では、二十四節季(にじゅうしせっき)を「合図」に季節感のある売場づくりを行う企業もあると聞きます。二十四節季とは、太陽の動きをもとに1年を24の季節の節目に分けたものです。下表のように、太陽の動きとなる、春分(3月20日頃)、夏至(6月21日頃)、秋分(9月23日頃)、冬至(12月22日頃)を起点に分けています。【二十四節季および金沢と東京の気候特性】平年値:1991年~2020年の30年間平均値暦の上での夏の合図また、天気予報では、暦の上では、〇〇ですが、と添えて、季節の始まりを表現しています。例えば、夏の始まりは、立夏(5月5日頃)です。東京と金沢のグラフ上に立夏の時期に補助線を引くと20℃~25℃になり、初夏の陽気を感じさせる温度帯です。また、この時期は、新緑が美しく、さわやかな風が吹き、夏の気配を感じることができます。だんだん気温が高くなっていきますが、暑すぎず湿度が低いため、一年の中で最も過ごしやすい気候といえます。実際の夏として早いような気がしますが、売場では季節の先取りは重要な取組です。立夏を起点に天気予報で最高気温が20℃~25℃に達したら、夏を先取りしてお客様に提案する合図の目安としましょう。新たな夏の指標「酷暑」ところが、日本特有の明瞭な四季が無くなりつつあります。近頃、春、秋が短く、夏、冬が突然、やってくるケースが多く、「季節の始まりの合図」の判断が難しくなってきましたね。気象庁が定義する夏は、暦と違って6月~8月です。例年なら6月初旬から7月中旬は梅雨期となり、気温を押し下げる効果があります。しかし、ここ数年は、梅雨がどこかにいき、夏の暑さが長期化しています。また、本格的な夏の合図となる梅雨明け(関東地方の平年値:7月19日頃)の判断が難しくなってきました。さらに、気象庁は2025年の記録的な暑さを受けて、最高気温が40度以上となった日を「酷暑日」として検討しています。2007年にヒートアイランド現象などによる高温の日の増加を受け35度以上の「猛暑日」を新設しました(25度以上「夏日」、30度以上「真夏日」)。暑さが続くと日本近海の海面水温が高くなり水蒸気量が増大します。市街地はゲリラ豪雨が多発します。このように、日本の夏は「酷暑による熱中症」と「ゲリラ豪雨」の対策が必要となってきました。亜熱帯化する日本の夏の対策について最後に、酷暑による熱中症とゲリラ豪雨の対策における合図と服装選び等のポイントをお伝えします。熱中症リスクの高まる合図として、環境省と気象庁が共同で発表する熱中症警戒アラートがあります。参考に2025年は山梨県、愛知県等に6月18日に初めて発表されています。毎年6月頃から暑熱順化と言われる暑さに段階的に体を慣らすことが必要です。5〜10日程度の軽い運動や外出を繰り返すと効果的です。暑熱順化中は「最初はしっかり守る服装 → 慣れてきたら軽快さを取り入れる」流れが理想です。一方で、ゲリラ豪雨は天気予報による雷注意報等が合図となりますが判断が難しいです。服装の選びのポイントは、撥水性、速乾性、軽量性、携帯性、防水足元です。肌に近い層は速乾、外側は撥水を意識しましょう。また、天気の急変に対応するためバッグに入る携帯性がポイントです。お客様の夏の合図に合わせて♪Mrs.GREEN APPLEの「青と夏」の最後のサビでは「まだまだ終われないこの夏は」というメッセージがあります。季節の合図はお客様の体験によって変わる面もあります。また、通勤・街歩き、屋外作業・アウトドア、スポーツ・フェス等の様々なシーンがあります。お客様の体験と活用シーンに応じて季節の服装コーディネートが重要ですね。【注】本ページ内の画像の出典:Phot AC(ChatGPTでイラスト化)文:松本 康児(気象予報士、防災士、中小企業診断士)1999年に気象予報士を取得。現在、民間気象会社に勤務しており、主に地方自治体や民間企業に対して気象情報を活用した水害リスクの低減を行っています。また、地元石川県で起こった能登半島地震および水害による複合災害に対して、復興支援のために産学連携による関係人口創出プロジェクトに取り組んでいます。