みなさん、こんにちは。かたづけ士の小松易です。突然ですが、気がつくと「時間がない」「忙しい」「大変だ」などと、つい口に出てしまったり、頭で考えたりすることはありませんか?じつは、その原因は皆さんのオフィスやお部屋の片づけと関係があるのです。片づいていないスペースで、知らず知らずに私たちが失っているのは時間、そして何より心の余裕です。バックヤードでうろうろと探す時間に費やしたり、あるいはお部屋でも衣類や本などをどこに戻したらよいか迷うことはありませんか?接客に携わる皆さんにとって、こうありたい、こうだったらもっと余裕をもって楽しく仕事ができるのにと思う理想の姿はどんな状態でしょうか?あるいは、生活がしやすい部屋とはどんなスペースでしょうか?今日は、分かっていてもつい先送りしがちな片づけについてお伝えしたいと思います。片付けは目的の理解から以前、ある呉服屋で片づけの指導をさせていただきました。一番のお悩みは?と聞くと、仕上がった着物をお客様にお渡しする際に、なぜかバタバタと慌てたり、ちょっとした小物や書類の渡し忘れがあるというのです。特に担当者が不在の時などは、より顕著にその状況が起こりやすくなるということでした。その時にお伝えしたのが、整頓の基本です。整頓は、単に「整えること」と捉えずに、その目的を理解しておくと効果的です。その目的とは「機能性」と「美観」を高めることです。例えば、在庫置き場の機能性を高めると、商品の出し入れがしやすくなります。出しやすくなれば、探す時間が減り、しまいやすくなれば迷わず、ストレスなく仕事を進めることができます。「美観」については、ルール以上に私たちの「片づけスイッチ」を入れてくれる大切な要素になります。神社の境内に入ってポイッとゴミを捨てる人がいないように、オフィス内の美観が高まると、そこで働く人は「この状態を保とう」「より美しくしよう」という意識が芽生えてきます。新しい社員や別店舗からの応援のスタッフも整然としたオフィスの雰囲気に合わせようと意識が向くのです。逆に、ダンボールなどが通路や棚の前に放置されていると、「ここにモノを置いていい」というメッセージになって、気がつくと倉庫内が足の踏み場もない状態になってしまうのです。これを「散らかりの“OKサイン”」と呼んでいます。ストレスを減らすために必要な「3つのT」と「2つのH」2つの目的を踏まえ、さらに「3つのT」を使ってオフィスや部屋を整えていきましょう。3つのTとは、(1)定位置、(2)定量、(3)定方向です。(1)定位置とは、モノの置き場を決めること、(2)定量とは、モノの置く数や量を決めること、(3)定方向とは、モノを置く方向を一つに決めることです。まずは「定位置」を決めるところから始めてみましょう。さらに複数の人が使うスペースでは、「2つのH」をプラスしておくとよいでしょう。それが、(1)表示、(2)標識です。表示とは、「モノ自体」にラベルやタグを付けること。標識とは、モノを収納する「場所」に目印、枠線、名前などを付けることです。私たち人間は、「忘れる」生き物です。ミスやストレスを減らすために、表示、標識のどちらかを、あるいは両方を状況に合わせて活用してみてください。「片づけ」という職業柄、お店で接客を受ける際につい店員さんのある動作に意識が向いてしまいます。その動作とは、「置く」という動作です。片づけが苦手な人はモノをついその辺に「とりあえず」無意識に置いてしまいます。片づけが得意な人は、安易にモノを置くことなく、そのまま定位置に戻したり、その場で処理を終わらせるようにしています。これを「空中選」と呼んでいます。「空中選」は、私たちが慣れ親しんだ「あとで」という意識を「すぐに」カタをつけるという行動に変え、無理なく片づけに向き合わせてくれる第一歩になるのです。ぜひ今日からあなたの仕事がラクになる片づけをオフィスやお部屋で始めていきましょう!文:小松易(かたづけ士/スッキリ・ラボ 代表)「「かたづけ」を通して企業・組織・人生を進化させるコンサルティング」をコンセプトに、経営者や企業、個人向けのコンサルティングや研修を行っている。日本人が持っている「かたづけ力」を引き出し、日本を元気にするのがミッション。著書はシリーズ累計47万部『たった1分で人生が変わる 片づけの習慣』(KADOKAWA)ほか多数。最新刊は、『「かたづけ思考」こそ 最強の問題解決』(PHP研究所)。テレビ出演にテレビ東京「ガイアの夜明け」など。スッキリ・ラボ https://sukkirilab.com/