あの人は何だかお客様とも関係者とも人間関係がうまくいっていて、仕事でも成果をあげているという人がいると思います。そんな方は間違いなく、このEQの力が高いのです。本記事では、仕事はもとよりプライベートでもうまくいくために、EQを高めようという目的で書いてみました。どうぞ最後までお読みください。●心の知能指数(EQ)とは何でしょうEQという言葉は聞いたことがあるでしょうか。AI・ChatGPTなどを簡単に活用できる時代の今だからより注目される人間だけが持ちうる大切な力です。この力を高めていくことが、人としての価値と言っても過言ではないほど大切な要素です。そもそも、EQとはEmotional Intelligence: 心の知能指数のことを言います。よくご存じのIQ(Intelligence Quotient、知能指数)とは対極にある力です。IQは人間の知的能力を測定するための指標の一つで、主に、問題解決能力、論理的思考力、記憶力が重要なスキルが構成要素です。一方、EQとは、心内知性(自己認識、自己管理、ストレスコントロール力)、対人知性(他者理解、共感、コミュニケーションスキル)、社会知性(関係性の理解、リーダーシップ、社会適応力)の3つを管理する力を指します。そして、これらの力をバランスよく伸ばしていくことで、EQは高めることができます。●販売の現場でよりEQが重要な理由コロナ禍以降、販売の現場もずいぶん様子が変わってきたことと思います。非接触販売や通販サイトの多様化など、人に接することなく物を購入することができる時代になりました。そんな中でもお客様が、皆様の店舗にお越しくださるということはありがたいことですね。なぜ、お客様がわざわざ足を運んでくださるのかを考えた時、皆様方がお客様に差し上げられるのは、事柄と人柄なのではないかと思います。事柄というのは、商品やサービス内容についての情報やブランドのコンセプトなど、ホームページ上でも掲載されている事実情報と言えます。(IQ)一方、人柄というのは、接客を担当する「あなたでないと伝えられないこと」です。たとえば、お客様から感じ取る印象、自身の経験談、コーディネートをするうえでの工夫やアドバイスなど。また、お客様の好みやその商品をどんなシーンで身に着けたいと思っているのかを言語化させてあげることなども、「あなたでないと引き出せない情報」です。(EQ)EQの高さは、接客するうえでの大きな差になります。お客様は「体験」を求めて店舗に足を運んできてくださいます。また、多くのお客様は無意識ですが、商品を購入する「理由」を探しに店舗にやってくる場合もあります。「お店に入って気に入ったものが見つかった。でも購入する明確な理由がない」という場合もあると思います。そんな時に、その商品をどのような時に、どのような場所で、どのような場面で(TPO)活用したいのかを一緒にイメージできたら素敵ですね。それがうまくできれば、購入を決めるお客様の背中をそっと押してあげられるのだと思います。その時間の質を高めていくことができれば、お客様は必ず「また会いたい!」と思ってくださるはずです。●EQを高めるために今すぐできることでは、どうしたらこの大切な力であるEQを高めることができるでしょうか。• 心内知性を高めるため、自己認識を高める強みの洗い出し➔ご自身の強みは自覚がないかもしれませんね。職場の上司や先輩からフィードバックを受けるとか、人からよく頼まれることは何かを思いだしましょう。たとえば、調整ごとを頼まれるとか、クレーム対応を任されるなど。感情日記をつける➔日頃から自分の感情に意識を向けます。一日の終わりに楽しかったことや怒りを感じたことなど思い出して記録を付けます。お風呂で思い出し、嫌なことは泡と共に洗い流すことはお勧めです。• 対人知性を高めるため、コミュニケーションスキルを高める積極的な傾聴➔顧客や同僚の意見に耳を傾け、共感を示す。自分の意見を一旦脇に置いて、相手に興味関心を持ち身体全体で聴いてみましょう。非言語コミュニケーション➔ボディランゲージや声のトーンを活用した効果的な伝え方をしてみます。• 社会知性を高めるため、複数の人の関係性を理解し活かすプレゼン力を高める➔相手のニーズを読み取り、相手に合わせて伝え方を変えてみましょう。関係性の理解➔複数の相手同士の関係性を理解し、誰がキーパーソンかを見分けてみましょう。対面の接客販売員は、AIやデジタル技術によって役割が簡素化される部分がある一方で、より「人間らしい価値」を発揮する場面で存在感を増していくでしょう。より豊かな未来を築くためにも、EQを高めて「また会いたい人」になってください!文:片桐あい 氏(カスタマーズ・ファースト株式会社 代表取締役)大学卒業後、JUKI株式会社総合技術研究所開発管理部に就職。秘書業務・図面管理室の立ち上げ・QCサークルの運営を担当。退職後はアメリカ・カリフォルニア大学Davis校へ語学留学。帰国後、サン・マイクロシステムズ株式会社(現日本オラクル株式会社)に就職し、コールセンターの運営業務改善・プロジェクトマネジャを経て人材育成を担当。大手国内ITベンダーとの協業プロジェクトや海外のメンバーとの業務系プロジェクト運営により、コミュニケーション能力を磨いてきた経験と実績を有す。日本オラクルとの合併後は、女性活躍推進プロジェクトでも女性活躍のためのワークショップを実施。サポート・サービスエンジニアの育成では、顧客の課題を聴きだし新しいサービスを提案できるようなエンジニアを育て、売り上げ増大に大きな貢献をする。2013年研修講師として独立してからは、IT企業・コールセンターを中心に顧客満足度を高めるためのコミュニケーションやヒューマンスキルを高める研修を中心に活動中。