関 宏美さん株式会社オンワード樫山 ONWARD CROSSET SELECT ストアマネージャー関さんプロフィール2006年 株式会社オンワード樫山 入社。「組曲」ブランドにて約15年様々な店舗を経験。2013年にはアシスタントマネージャー(サブ店長)、2018年にはストアマネージャー(店長)に昇格。2021年9月からは、オンワードが2021年から新業態として開始したリアル店舗とオンラインストアのメリットを融合したOMO型店舗「ONWARD CROSSET SELECT」にてストアマネージャーを務める。お客様に寄り添う接客とワークライフバランスも大切にした店舗運営を行い、高い成果を出すだけでなく、働くスタッフみんなにとって働きやすい環境も実現、会社からも、店舗スタッフからも、信頼が厚い店長として活躍している。新しい店舗形態 OMO型店舗を成功させられたのは、スタッフの支えがあったから私の所属する「ONWARD CROSSET SELECT」という店舗は、今までの店舗と違う部分も多くあります。まず、一つ目の違いは、ひとつの店舗にオンワードの複数のブランドが入っているという点です。それにプラスして、期間限定のポップアップブランドを設けたりしています。入れ替わるブランドがあるというのは、お客様にとって楽しんでいただける部分ではないかと思います。私の働く店舗では、一年を通じて人気のブランドを展開していますので、ひとつの店舗で違ったブランドの商品を一気にご覧いただけるというのは、よりご来店いただくお客様のニーズに合わせた商品をご提案でき、ご満足につながっているのではないかと感じています。例えばパンツ1本とっても、ブランドごとに形や長さが違います。実際にお店に立って接客するときに、その違った形やサイズ感などを同じ店舗内で、たくさんの商品の中からご提案することができているので、提案の幅も広がりますし、お客様にも喜んでいただいているという実感もあります。もうひとつ大きく違うのは、「クリック&トライ」(*)を利用して、iPadでアプリを一緒に見ながらご提案するなどデジタル接客も合わせてご提案できることが、OMO型店舗ならではの良さだと思います。新しい業態の店舗ということで、オープン当初は記憶がないくらいあっという間に過ぎていったので、ようやく今になって、スタッフ同士で笑いあって話せるようになったかなと思います(笑)。日々学ぶことがたくさんあって、日々変化を続けながら仕事ができていたり、自分たちの工夫で成果をだすことができたりというのは、やりがいに繋がっているのではないかと思います。正解がわからないことが多かったので、うまく上司や会社の力も時には借りながらやってきましたが、スタッフみんなに「この初めてのOMO型店舗をどうにか成功させる!」という気持ちがあったから、進んでこられたと思っています。(*)クリック&トライ : オンラインストアの商品を取り寄せし、実際に店舗で試着してから購入ができるサービス販売力のある人とは、“察する力”のある人実は、学校での専門はファッションとは違う分野だったんです。でも当時はファッション雑誌がたくさんあった時代で、そうした雑誌を見たり、渋谷に買い物に行ったりする中で、販売の仕事って楽しそうだなと思うようになって。それで就職活動のときに、アパレル企業への就職を考えていることを母に話したら、オンワードを薦められたんです。自分でも調べてみたら、ブランドもたくさんあって、年齢を重ね、経験を積んでも働き続けることができそうだと思って、オンワードに入社をしたいと思って、入社試験を受けました。実際に働いてみると当たり前ですが楽しいだけではなくて、悩むこともたくさんありました。自分がお客様として買い物をしていたときと販売員として接客しているときとでは、全く違って、お客様の心情を考えたり、そうしたことを汲み取る力がないと務まらないなと感じたり。キラキラだけではない世界だという現実を目の当たりにし、自分自身も成長をする、学び続ける必要性を感じました。当店のスタッフは、いろんなブランドで経験を積んだスタッフが集まっていることもあり、経験豊富な方も多いです。当然、販売員として優秀なスタッフですので、一緒に働くスタッフから気づかされることも多くあります。どうしたらよくなるのかということは、お店の中でもいろんな意見が出るのですが、やはり高い販売力のある販売員は、コーディネート力や商品知識だけではなく、お客様の求めるものを察することができる人なのだと思います。さらにチーム内でスタッフが心を通わせることができれば、お互いに販売力を高めあうことができますから、より販売力を高めることに繋がります。当店には、そうした販売力を高めあえるスタッフが多いというのは感じています。異動したくない!とスタッフから言われる店舗づくり異動したくないとスタッフが言ってくれているのは、上司からのフィードバックの際に教えてもらいました。そうした声が出ていることについて、まずスタッフに感謝したいと思います。私自身は、毎日のことなのでとにかく必死なのですが、一緒に働くことでそう思ってもらえていることは、素直に嬉しく思います。ただそれは私の力ではなく、スタッフ同士がよいお店をつくろうとしているからこそ、そうした店舗づくりができているのかなと私自身は感じています。このOMO型複合店舗は、新しい業態だからこそ、お互いに全く知らないスタッフが集まったので、お店がオープンして仕事が始まって、苦労を共にしたからこそ深まった絆があると私は信じています。お店の立ち上げはゼロベースからでしたし、オンワードの店舗としてはスタッフの人数も多く、初めて尽くしだったので、いろんなことが手さぐりでした。それでも、こうした声をスタッフから聞くことができているのは、今のメンバーと働いたからこそ、私がお店を回すのではなく、みんなでやるということに気づくことができたからだと思います。ひとりではないということを改めて学ぶことができたことは、本当にスタッフに感謝したいと思っています。文・構成:馬場真由写 真 :清水洋延