第1回目でファンを増やす心理学、第2回目でお客様の脳を買う気にさせる心理学をお伝えしました。そして第3回目はお客様の心をガッチリ掴む為の心理学です。早速ですが、同じ商品を探し求めていると思われる別々のお客様に対して、同じ言語を使って接客したところ、あるお客様は販売員の説明がシックリきた結果購入に至ったが、あるお客様は販売員の説明がなんとなく腑に落ちないと感じて購入されなかったという事をよく聞きます。これは何が原因なのでしょうか?その原因の1つに、そのお客様に合った言語を使っていない為にお客様の心をガッチリ掴めなかったということがあります。そこで、今回は,第2回目でお伝えした右脳派、左脳派からお客様をさらにプロファイルし、店舗接客で使えるお客様の心をガッチリ掴む為にとても有効的な、LABプロファイル®という人が話す言葉と思考のパターンを分析した心理学の手法をご紹介いたします。お客様が商品の購入を考える際、そのモチベーションの方向性は、大きくわけて2パターンあります。それは、購入する事によって自分の目標達成に意識が集中している「目的志向型」と呼ばれるパターンと避けるべき事柄や問題に意識が向き解決する事に焦点をおいている「問題回避型」と言われるパターンです。これらの2つのパターンで、お客様を例にとって説明していきますね。フォーマルのドレスを売っているお店に、パーティーに出席する為のドレスを選びに来店されたA様とB様の2人のお客様がいるとします。店内にはマーメイドドレス、バルーンドレス、タイトドレス、Aラインドレス等と様々なスタイルのドレスがあります。販売員は来店されたお客様の探し求めているスタイルのドレスを提案してみようと、それぞれのお客様にパーティードレス選びで何を重視されるのか?何が大事なのか?等の質問をしました。すると、お客様A様:体のラインを拾うようなドレスは避けたいのよね。お客様B様:体型がカバー出来るドレスを手に入れたいわ。との答えが返ってきました。お客様それぞれ表現の仕方が違いますが、言及している事と求めているスタイルのドレスは同じだと思われますので、販売員は、A様、B様の両方にAラインのドレスをお勧めしてみようと以下のようにご提案しました。販売員:こちらのAラインのドレスですとトップがすっきりしており、ボトムがボリュームがあるスカートになっておりますので、全体的に細見えシルエットで、着痩せ効果が期待できます。さて、この説明で、販売員はどちらのお客様の心を掴み、購入に繋げる事ができたと思いますか?答えはB様です。 それではなぜB様の心を掴む事が出来たのに、A様には響かなかったのでしょうか? B様は手に入れたいという目標に焦点をおいている「目的志向型」なのに対し、A様は避けたいという回避するべき事に焦点をおいている「問題回避型」というのが読みとれるからです。 B様のように目的志向型のパターンを持つ人には、目的達成に意識が集中しているので、〜できます、達成する、獲得する、等の言語を使って先程の販売員のような受け答えをすると、このパターンの人の心をガッチリ掴む事ができます。 それでは、問題回避型であるA様に、販売員はこのAラインのドレスをどう説明するのが適切だったのでしょうか? A様は回避したい事や解決したい問題を意識しているのですから、A様に対する説明は、 販売員:こちらのAラインのドレスですと、トップがすっきりしており、ボトムがボリュームがあるスカートになっておりますので、ウエストが太く見える事はなく、全体的にシルエットが強調されなくて済みます。 と言うように、問題を解決したり、回避する事に関心が高い思考パターンをもつ「問題回避型」にマッチさせた言語を使うと、A様の心を惹きつけることができるでしょう。 問題回避型のパターンを持つ人には、回避する、避けられる、〜しなくて済む等の言語を使うと心に響きます。 このように相手の心に響き、惹きつける言語をLABプロファイル®では、影響言語と呼んでいます。この影響言語を理解し、お客様へ使いこなす事が出来れば、お客様の心をガッチリ掴めるでしょう。 今日まで3回連載させて頂きましたコラムを読んでくださった皆さん、どうも有難うございました。ご紹介いたしました心理学テクニックを是非実践して頂き売上げアップに繋がる事を願っています! 文:村木まみ氏(LABプロファイル(R)コンサルタント/販売心理学コンサルタント)Success Strategies(カナダ)認定 LAB Profile® コンサルタント&トレーナー日本NLP協会認定 NLPプロフェッショナルセールス トレーナー NLPコーチング協会認定 マネークリニック トレーナー幼少の時期から洋画のアクション、コメディー映画が大好きで、90年代後半に渡米。大学では経済を勉強したいと考えていたが、既にアメリカでは沢山の実験や統計に基づき、幅広い分野の心理学が存在し、心理学先進国だということを知り、ソーシャルサイエンス学部で様々な分野の心理学を学ぶ。卒業後日本へ帰国し、もともと株取引に興味があった事から金融機関へ就職する。日本で大手外資系金融機関BNPパリバ証券会社、ドイツ証券会社を経て、オーストラリアのドイツ銀行シドニー支店で勤務し、デリバティブ取引に従事した。金融機関在職中にもビジネス、人間関係において心理学の大切さを痛感し、退職後は心理学を1から学び直す。ビジネス、プライベートの両面において効果的な言葉と行動の関係性を分析し、相手に合わせた会話や文章を構築するLABプロファイル®という手法と商品やサービスをお客様に提供する為に経営者・起業家にも必要な販売心理学を主とし、コンサルタント&トレーナーとして活動中。