女性が働き続けていくうえで、結婚、出産や子育て、介護など様々なライフイベントと上手く折り合いをつけていくことは大事なテーマです。 特に出産というライフイベントで「働き続けることができる?」「育休を取っても復帰できる?」など不安を持たれている方は多いのではないでしょうか。 販売職の場合、シフト勤務で働く時間がまちまちであったり、祝日・休日は勤務日であったり、一般の会社員のように勤務スタイルが決まっているわけではありません。 まして同じ職場で産休・育休を取り、復帰後に活き活きと働いているロールモデルが身近にいなければ、働き方のイメージが持ちにくいかもしれません。 でも大丈夫、安心してください。法律上は、産前・産後休業も保障されていますし、育児休業も原則として子どもが1歳(保育所に入れない場合などは最長で2歳)になるまで取れる制度があります。 また、復帰後にフルタイムで働くことが難しい場合、少なくとも子どもが3歳になるまでは、育児のための短時間勤務制度を利用することができるようになっています。会社によっては小学生になるまで、その先もずっと短時間勤務を選択できる場合もあります。 このように、仕事と私生活との両立をバックアップする法制度は着実に進化していて、さらに今は女性が活躍するための法整備がどんどん進められているのです。 考えてもみてください。「人生100年時代」と言われ、私たちの寿命は延び続け、それに伴って働く期間も延びつつあります。 そんな長い人生を、「ずっと同じ働き方をしなければ」などと思うことはありません。もっと柔軟に考えていいんです。 近年、よく聞かれるようになった「働き方改革」というのも、個人が希望する働き方を選択できるようにするためのものです。 ですから、もっと自分に正直に、どんな働き方をしたいか自由に想像してみてください。育児や介護、あるいは療養や何かを学ぶためなど様々な理由で、一時期仕事から離れることもあるかもしれません。目いっぱい働きたいときもあれば、ペースを落として緩やかに働きたいときもあるでしょう。それは決してわがままなことではありません。 今、販売職という仕事に誇りを持ち、大好きなブランドと向き合って仕事をされていると思いますが、今後どのような形で仕事を続けていきたいか、どうすればあなた自身がワクワクできるか、もっと柔軟に考えてみてはどうでしょう? 多様な働き方ができるということは、それだけ選択肢が増えるということ。だからこそ、あなた自身がどう在りたいのか、しっかりと自分の方向性を認識しておくことが大事になってくるのです。 あなたの人生は、あなたのものです。これからは、自分軸を大事にできる人が、望む働き方・生き方を手に入れやすくなります。 ちょっと行き詰っているときは、社外の人と積極的に交流を図って新しい風を吹き込んでみるのもひとつ。自分ではまったく気づかなかったアイディアを得られるかもしれませんし、人とのつながりが新たなチャンスを引き寄せてくれるかもしれません。 また、可能であれば副業・兼業にトライしてみるのもおすすめです。仕事の時間が不規則だから難しい、と思ってしまうかもしれませんが、ネットを活用すれば、時間・場所を問わず可能に。そうした新しいチャレンジが、今の仕事やこれからのキャリアに活かせるかもしれません。 ただ待っているだけでは、変化は起こせないもの。好奇心を持っていろいろなことにトライしていくことで、自分軸を育てていきましょう。 文:佐佐木 由美子(社会保険労務士、エッセイスト)グレース・パートナーズ株式会社代表。中小・ベンチャー企業を中心に、多様な働き方に関するコンサルティング等をはじめ就業規則や人事労務・社会保険面から経営を支援。女性の雇用問題にも積極的に取り組んでいる。日経スタイル等の経済メディアに働き方やキャリア等に関する寄稿多数。ブログ「ワークスタイル・ナビ」では女性のライフ&ワークスタイル等について随時更新。 ■グレース・パートナーズ株式会社:https://gracepartners.jp/■佐佐木由美子のワークスタイル・ナビ:https://www.workstyle-blog.jp/