LV Styling Project Director石川 MORITZ 馨さんプロフィール2000年にパリ政治学院を卒業後、パリのギャラリー・ラファイエットに出店しているルイ・ヴィトン・ストアのセールス マネージャーに就任。その後、ルイ・ヴィトン・マレティエを経て2005年に日本に戻り、ルイ・ヴィトン 六本木ヒルズ店のレザーグッズ カテゴリー マネージャー、ルイ・ヴィトン立川髙島屋店 店長、ルイ・ヴィトン松屋銀座店 フラッグシップ ストアディレクターを歴任。2010年以降はフランスに戻って、全世界のルイ・ヴィトン460店舗のユニフォーム、毎月のポップアップアニメーションや、ファッションショーのセノグラフィーのユニフォームのデザインと生産などを担うスタイリング プロジェクト ディレクターとして活躍中。1日で約40万人の新規感染者を記録したフランスの、おおらかな日常 フランスはでも、結構大変ですよ(笑)。新型コロナウイルス感染症も、今年(2022年)になって約40万人の新規感染を記録した日もありました。それでも、マスクしない人は多いし、シャンパン飲んで、グループで歌いながら歩いてくる人たちもいます。 この間びっくりしたのは、くしゃみをする瞬間にマスクを外している人がいて(笑)。でも、それを注意すると小姑みたいに言われちゃいますから黙ってます。それで「自分だけでも対策しよう」と思って不織布のマスクをしてみたり。こういう時に、私ってやっぱり日本人なんだなぁ、って感じましたね。 身の回りでも感染者がいっぱいいて、濃厚接触者だらけで大変な状況ではあるんですが、ただルイ・ヴィトンのビジネスに関しては、それほど影響は出ていないんです。ヨーロッパの市場が少し下がっても、アメリカが好調だったりしているので、売上自体は堅調で2020年はマイナス数%という数字が出ていましたが、2021年からは右肩上がりで、私が担当しているスタイリング プロジェクトでも、約20のコレクションを手掛けてます。 ただし、コロナの影響で世界的にサプライチェーンが困難になっていますね。自分が得意なことで、自分が楽しめて、他人をハッピーに こうやって振り返ってみると私自身、バレエダンサーの夢を諦めた時から「こうなりたい」という目標を見失っていたんですよね。「志」なんて全然ない(笑)。ただ一つ言えるのは、「目の前にあることの中から面白いと思えることを見つけて、どんどん追求していくうちに、次の扉が開いて行った」ということです。 だから本当に「Happy Together」という気持ちは、今も変わらないですね。まずは自分たちが幸せじゃないと。自分が楽しいと思えること。自分が他人より得意なことで、自分と仲間が楽しみながら、お客様もハッピーにしていく。そういう暮らしが一番だと思います。 今は、家族で3週間の夏休みには、ピレネー山脈やイタリアとの国境沿いにあるケラス山域に滞在して山登りを楽しんだりしています。これが楽しみで、日本に帰れないぐらいです。 後はピアノ。息子が7歳の時にピアノを習い初めまして、その時、私も一緒にピアノを習い直したんです。息子はコンクールで賞をいただくほどの腕前になっていて、私も同じ先生に師事して、毎日30分、週末には2時間の練習を欠かさないようにしています。先日は、シャトレ劇場のリニューアル オープニングイベントで20人のピアニストがサティの曲を20分ずつ演奏するイベントに混ぜてもらい、拍手をいただいたんです。うれしかったですね。仕事より、ピアノで他人に喜んでもらえることが断然楽しいです(笑)。 取材・文佐藤秀治(お客様を動かす「共感づくり」の専門家)日本IBM、電通ワンダーマンを経て、現在、(株)プラップル代表取締役。コピーライターとして、企業のブランド育成やお客様事例制作に携わってきた経験から、お客様を動かす「共感づくり」をサポートし、事業や個人の成績向上を達成につなげるコンサルティングを行う。