今年も少し秋の色合いを帯びてきましたね。そんな中、なかなか収束してくれないのがコロナ禍。日々、接客など対面でコミュニケーションを取るお仕事をされることが多いとやはり感染の恐怖はいつもつきまとっていますよね。そこで今回はウイルスに負けない体づくりに大切な“ふたつの免疫力アップ”についてご紹介します。 ビタミンA、βカロテンまず新型コロナウイルスに限らず、基本的にウイルスは目、鼻、口や喉などの粘膜からの体内に侵入することによって感染します。ですからウイルス対策にはまず、粘膜の免疫力アップが大切です。そこで大事なのがビタミンAやβカロテン。うなぎ、レバー、卵黄、緑黄色野菜に多く含まれており、油分と一緒に摂取すると吸収率があがるといわれています。加えて、オリーブオイルやアマニ、えごまオイル、また最近はやりのMCTオイルなどなど良質な油も必要といわれていますのでこれらを使ってサラダにすれば一石二鳥です。パプリカ、ピーマン、ししとうなどを一度にたくさん素揚げして、揚げ物として食べるだけでなく、薄めに割った白だしやポン酢に漬けて作り置きにしておくのも便利です。 鉄分次に鉄分。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があるのですが、ヘム鉄の方が吸収率がよいので、コロナ対策としてはそれが多く含まれるレバー(牛のみならず鳥や豚も)、牛肉の赤身、カツオなどがおススメです。レバーが苦手という方は塩、にんにく、ローリエ、オリーブオイルと一緒にオイル煮にしてみてください(※レバーとオイルは同量目安。血抜きは好みで)。意外とこれでレバー好きになる人も多いんですよ。後述するキノコ類を加えても美味しいです。 ムチンそれからムチン。いわゆる“ネバネバ”食材の納豆、オクラ、里芋やモロヘイヤ、なめこなどに多く含まれる成分です。ちょっと贅沢したい時にはツバメの巣にも多く含まれるので、デザートなどで頼んでみるのもいいですね。 ビタミンCそして免疫力アップといえば必須なのがビタミンC。これは粘膜強化だけでなく、抵抗力を強化し、全身の免疫力をアップする上でも必要ですし、美肌効果の期待も含め、コロナに限らず常に意識して摂っていただきたい栄養素です。ストレス耐性も上げてくれるので心の健康にも強い味方なんです。ビタミンCは小松菜やカブ菜、大根葉などの青菜やピーマンに多く含まれます。果物にも含まれますが、糖分が多いので野菜の方がおススメです。それから緑茶もいいですよ。緑茶はビタミンCの摂取だけでなく、ウイルスの無害化についても効果が期待されているので、休憩時間に緑茶うがいの習慣を取り入れるのもいいですね(※①)。またビタミンCは冷凍しても成分が変化しないので野菜類を冷凍保存しておくと便利です。おススメは小松菜!さっと洗って5センチ幅にカットして冷凍するだけでOKです。これをだしやめんつゆに浸して解凍すればお浸しになりますし、解凍したものを塩とゴマ油で和えればナムル風になります。 ビタミンD最後にビタミンDを。免疫機能の調整に加え、重篤化を防ぐことに効果が期待されており、鮭、マグロ、サバや牛レバー、バター、チーズ、卵黄に多く含まれています。きのこ類にも多く、可能であれば食べる前に一度、太陽に干すとビタミンD量がアップするといわれています(※乾燥したものもするといいそう!)。変異株が増え、感染リスクが高まっていますから万が一の感染にも備えておきたいですよね。 今回ご紹介した免疫力アップに役立つ食材には、レバーや緑黄色野菜、卵黄など多くの栄養素を網羅しているものがいくつもあります。どれも珍しいものではなく、日々の食事に取り入れやすいものなので、ぜひさまざまな形で試してみてくださいね。※①奈良県立医大がお茶で新型コロナ無害化、1分で最大99%を発表https://www.sankei.com/article/20201127‐5ACVVU5MDNNMFBK6D6ZH56OSUE/※②本コラムは新型コロナウイルス感染症の感染阻止、完全予防を保証するものではありません。※③体調に不安がある場合や食品アレルギーがある場合は医師にご相談ください。 文:飯野耀子氏(美容食スペシャリスト/薬膳料理指導員/「HOTERES(週刊ホテルレストラン)」フェローエディター)成城大学卒業。AllAbout元食育ガイド、アメリカ農務省運営「myfood.jp」元編集長。健康管理士、薬膳料理指導員の観点から西洋医学、東洋医学、植物療法の観点から食の効能についての情報をはじめ、美容、旅、ライフスタイルに渡る情報発信を展開。編集、執筆と共にFANCL「発芽米」、日本コカ・コーラ「爽健美茶」、イタリア大使館貿易促進部主催「BAR & it」などプロモーションコーディネーターとしても活動している。