1.今まで以上に、ストレス耐性を上げなければならい。そんな時代です。コロナ禍で、販売員さんたちのストレス度合いが増加しています。この一年で、数字を達成することは益々厳しくなりました。また、お客様からコロナに対する不安や愚痴を接客の現場で受け止める役割にもなりました。しかし、最もストレス対策やモチベーション維持に重要な、行動を認めて労ってくれる・相談できる上司や同僚とのコミュニケーションの場は減っています。自分で自己コントロール・自己メンテナンスする必要が増えたとも言えます。 2.睡眠は心身を整える場&唯一脳が休息できる場です。 精神的ストレスは言い換えれば脳のストレスです。解消できず溜め続けると、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れてしまい、結果、メンタル不調へと繋がってしまいます。これを解決するには「質の良い睡眠」が必要なのです。心と体と睡眠が連動していることは証明されています。職場ストレスから鬱になり退職したAさん。睡眠の状態は最悪でした。心を変えるのは一朝一夕にはいかない。でも、自分できる行動改善=睡眠改善に少しずつ取り組んだところ、笑顔が出てくるように、会話の内容がだんだん前向きに、そして社会復帰していきました。 3.一石二鳥!快眠とストレスを消す技術を手に入れるための3つのコツ 快眠のための工夫はたくさんありますが、真っ先に取り組んで欲しい3つをご紹介します。 1)カーテンオープン 寝室のカーテンを20cm程度開けて寝てください。(顔に直接光が当たらない様に)日の出とともに徐々に明るくなる光を感知して起きると目覚めがスッキリします。また、朝起きてから会社に行くまでの間に、強い光(2500ルクス=日光)を浴びることで、精神ストレスをコントロールしてくれるセロトニンが分泌されます。さらにこのセロトニンは15~16時間後に入眠ホルモンのメラトニンに変わります。真っ暗が良い人は、便利グッズの活用や、起きたらすぐカーテンを開けるなどしてください。 実際に、職場ストレスに悩む多くの方の睡眠とメンタルが真っ先に変わる効果があるのが、この光活用です。 2)寝る前は、徹底的に脳内リラックス 布団の中に悩みは持ち込まないでください。寝床はねるところ。悩むところではありません。悩みたいなら暗くしたリビングで。また、スムーズな入眠にも睡眠の質を上げていくためにも、副交感神経の働きを優位にさせる必要があります。意識をして、心がホッとする・頭を空っぽにできる・いい気分になる自分なりのリラックスタイムを作るようにしましょう。「ゆるめられるかどうか」が睡眠の質を上げる肝です。先ずは1分間深呼吸からでもO.K.です。アロマや音楽やストレッチももちろん有効です。1時間はリラックスタイムを取れるようになるといいですね。 3)日本人には最適!お風呂を活用 入浴はストレス解消と快眠効果の両方同時に得られる簡単な方法の一つです。体温を上げ、下がってきたタイミング(出てから15~30分後)を利用して床に就くとスムーズに眠ることが出来ます。実際に入る温度によって神経の鎮静効果やストレス解消効果が変わるという研究結果も出ています。コツは温めの長め。一般的に39℃~41℃の間で5~20分浸かる。ただ清潔にするためのお風呂ではなく、自分で自分を労うための時間として活用してください。 ストレス満載状態では、あなたの最高のパフォーマンスは発揮できません。良い睡眠で「消す&整える」ことが、簡単にできるストレスに負けない自分づくりに繋がります。 文:小林瑞穂(快眠アドバイザー/薬剤師/心理カウンセラー)東邦大学薬学部卒業。薬剤師国家試験合格。卒業後、株式会社エーザイ関連会社営業職に従事。医療の現場で心を病む人が増加している現状を目の当たりにし、心理カウンセラー資格を取得。臨床医とともに現場のカウンセリングに携わる。その中で、心と体そして「睡眠」の繋がりの重要性に気づき、心と睡眠の問題を掘り下げるために薬剤師となる。延べ5万人以上の「眠りの悩み」に関わり、治療と睡眠指導により、睡眠が改善されることによって精神状態・体の健康状態の改善のみならず、その人の行動・社会復帰・人生が変わってく場面に数多く立ち会ってきた。日本にわずか3名しかいない(H29年3月現在10名)睡眠改善シニア指導員資格を取得。現在では、個人向けの『快眠サロン水月~mizuki ~』、企業向け事業『スリープ・パフォーマンス カンパニー』を運営する傍ら、オーダーメイドの睡眠&生活改善提案に加え、睡眠活用の専門家として、社会人が今よりもっと輝くための『睡眠活用術』=『ハイパフォーマンス睡眠法』に関するセミナーや講演、企業研修を実施。著書に『できる大人の9割がやっている 得する睡眠法』(宝島社)がある。