青砥愛実さん株式会社オンワード樫山人財部人財開発課 採用担当プロフィール 短大卒業後、航空業界で勤務するも、さらにパーソナルな接客を求めて、アパレル業界へ。 店長、エリアマネージャー職を経て、その経験を活かして、人事へ異動。現在は採用、研修を中心に担当している。 お店での接客の先にあるもの私は、販売に直接的に関わる立場としては、販売員から店長、販売課長までいろいろ経験させていただきましたが、立場が変わってくると、お店で接客をしていた時とは、見えるものが変わりました。店頭で接客をしていたときは、自分が担当している目の前のことしか見えていなかったと思います。だから、キャリアアップや将来の展望などが見えなくて不安になることもありました。 でも、教える立場になって、これだけコミュニケーション能力が鍛えられる仕事ってないな、と。お客様は、新しい洋服を買ったら必ず笑顔になりますよね。お客様を喜ばせながら、自分自身のコミュニケーション能力を高められる仕事って、なかなかないと思うんですよ。 それに、自分自身もその時の最新のファッションを身につけられる仕事でもありますし(笑)、お店にいくと販売職のスタッフはみんなキラキラしているんですよね!これは店頭を離れた今だからこそ気付けた販売職の特権のように感じます。お店にいるとどうしても見える範囲が狭くなってしまうのですが、自分次第でいくらでもチャンスがあるということや、販売で身につくスキルについて気づけたのは、立場が変わってからかもしれません。積極的にコミュニケーションをとることでチャンスは見つけられる今は採用担当ということもあり、学生の方とお会いする機会も多いのですが、全体的に「積極性」が薄いように感じます。学生の皆さんは各々個性があってすごく魅力的なのに、発言することを恐れているというか、周りと合わせなきゃいけないと思っているように感じます。もっと自分の得意な分野やよく知っていることを活かして、自分を積極的にアピールする力を磨かないと販売員としては活躍が難しいと思うんです。必要なのは販売員それぞれの個性で、みんなと同じではなく、みんなと違う部分を輝かす努力です。 それはお客様に対してだけではなく、上司や同僚など社内の人に対しても同じです。受け身ではなく積極的に声をかけることで、社内の会話から情報が拾えるんです。私もそこは貪欲でしたし(笑)、積極的にコミュニケーションを取っていたからこそ、店長や課長になるチャンスを見つけることができたと思っています。そういう姿勢が本当に大事なんです。 お店はすごくワクワクする環境「アピール不足」というのは、知らない人と(オンラインではなく)対面で話す機会がとても少なくなっている現状も、少なからず影響を与えているのかもしれません。知らない人から得る情報って、すごく面白いし、有意義な時間だと思うんです。これは私の場合ですが、子どもと公園に遊びに行ったときに、初対面のおばあさんと話が盛り上がったりするんです。知らない人とこんなに話ができるようになるなんて、販売員をしていなかったら考えられないことだったと思います。こういう知らない人からの情報を面白がれる好奇心や人に対しての興味がないと、接客はできないと思います。 文:馬場真由香(JASPA事務局)写真:清水洋延(JASPA事務局)