中川留理子さんブルガリ・ジャパン株式会社セールストレーニングディレクタープロフィール証券会社での営業、税理士事務所を経て、宝飾業界へ転職。ダイアモンド専門店で販売、店長を経験後、ブルガリジャパンへ入社。販売員、チーフ、新宿高島屋店店長を経て、35歳でブルガリ銀座旗艦店の店長に。 12年間の店舗経験を経て、社内Sales Training team を立ち上げ、現在に至る。 ビジネスコーチ社認定ビジネスコーチ。現在は、 20年以上の接客経験をベースに、経験値に偏らないプロフェッショナルコーチとして、社内店長、スタッフの育成にあたる。プロフェッショナルな販売員として、生き残るために必要なもの販売員がプロ化するということは、スキルとして心理学の知識を持ち、その力で目の前のお客様について分析し、掘り下げ、戦略的に売っていくことのできようになることだと思います。そのためには、当然、人間の行動心理についての理解を深めることが大事です。相手がその行動をとった時、どんな心理状況だったのかということや納得をするときの心理などを読み取れないといけないと思っています。それから、自分のお客様を分析できるマーケティングの力。自分は顧客マーケティングをしているんだという自覚を持って、しっかり自分のお客様のことを分析できるかどうか。いまのお客様は、デジタルを活用してたくさんの情報を持った状態で、お店にご来店されます。お客様に新しいご提案をするために、販売員はそうしたお客様と同じ情報を知っていなければならないし、更にはお客様よりももっと多くの情報を持っていなければならないんです。だから販売員もマーケティングツールとして、デジタルを駆使していかなくてはいけない。更にSNSでのコミュニケーションが主流になる中、お客様へのアプローチ方法は大きく変わってきています。ブルガリでは、販売員に一人一台の携帯を支給しています。各自、自分の携帯でLINEやメールを使って、より密にお客様と繋がるようになっています。そこから、お客様ごとの販売戦略を各自が立てて、販売していきます。こうした流れによって、お店での販売は、よりパーソナルなものになってきていると感じます。お客様も自分も豊かにするエンターティナー販売員自身が、エンターティナーであることが必要です。海外の販売員は、既にそうした存在となっていますが、日本はまだ十分ではないと感じています。デジタルと共存しつつも、その利便性を超えて提案できるものがないとお客様はお店に足を運んでくださいません。買ってくださいとお願いするのではなく、お客様と対等な立場で話し、有益な情報に加え、ブランドの代表としてブランドを表現し、高い人間力と会話でお客様を楽しませることが、お買い物をエンターテイメントにできる販売員の姿だと思っています。そして、それらを支えるベースとなるコミュニケーション能力もとても大切です。高いコミュニケーション能力は、人生を豊かにしますし、自分をどう表現するかということにもつながっていくと思います。≫前編を読む