緊急事態宣言も解除され、多くのお店で営業が再開されています。しばらくの休業期間により、スタッフとのコミュニケーションも一時休止という状態だったお店も多いのではないかと思います。完全に今まで通りの店舗運営とはいかない状況の中、改めてスタッフ間のコミュニケーションを見直し、売上に繋げるための秘訣を有限会社ヒューマンスキルプラネットの篭池先生にお伺いしました!********************************************************************** 一口にコミュニケーションと言っても「本部と店舗」「エリアマネージャーと店舗」「全店における店長同士」「店舗内スタッフ同士」など様々あります。この中でも店舗内スタッフは「店舗の顔」であり、「会社(ブランド)の顔」です。店長、サブ、リーダー、販売スタッフ、アルバイトといった店舗内スタッフ同士のコミュニケーションが良いとそれがお店の雰囲気としてお客様にも伝わるため、コミュニケーションは店舗運営の重要な要素となります。ではどのように「店舗内スタッフ同士のコミュニケーション」を考えればよいか大切なポイントを3点お伝えしたいと思います。 1.日頃からの信頼関係が土台 信頼関係がないとコミュニケーションの質は高まりません。相手に関心を持ち、相互理解を深めることで、価値観の違いを乗り越え、調整することが可能になります。ではどのようにすればよいのでしょうか?それには、まず一人一人がしっかり自己開示できるかどうかが、お互いの信頼関係づくりへの第一歩となります。話し手が本音で心を開いて話してくれると返報性によって聞き手も安心して話ができるようになります。(※返報性…相手にしてもらったことを、自分も相手に返すという気持ちが働く心理のこと。)日頃あまり見せないような弱い部分や抱えている悩みなども話すことによって、今まで持っていたイメージが変わるきっかけにもなります。また仕事の進め方や考え方の背景にあるものが見えてきます。お互いをしっかり理解できれば、親交が深まり、長所を活かし短所を補い合うことも可能になるのです。 2.目的の共有と理解 いいお店には、スタッフが目指す共通目的があり、コミュニケーションを通じてその目的を達成しようとします。会社によって目的は様々ですが、大切なことは、スタッフが同じレベルで理解できているかということです。朝礼、終礼、報告連絡相談、またOJTなどで繰り返し、浸透させていきます。共通の目的があれば、相性や好き嫌いとは関係なく、相手の強みをリスペクトし、活かしながら物事を前に進められます。また、モチベーションの向上にもつながります。共通目的が共有され、全スタッフの理解により、同士となり、“絆”が生まれ、店舗内に一体感が出てくることでしょう。 3.相互支援 スタッフ全員が、お互いに支援しあうことで、新たな価値や感動を創り出し、目的・目標を達成することができるようになります。支援とは、お互いがお互いを“やる気”にさせ、そこにいる人が自発的に能力を最大限に発揮できるようにすることです。では“やる気”にさせるにはどんなコミュニケーションをとればよいのでしょうか。「しっかりきく」「相談に乗る」「一緒に考える」「励ます」「ほめる」「感謝する」「出番をつくる」「提供する」「寄り添う」など、方法は100万通りあります。相手をよく観察して、その人が“やる気”になるにはどうすればよいかを真剣に考えれば、自ずと見えてくるはずです。“やる気”になり、自分の力では不可能と思えるようなことを乗り越えられたら、それは自信になります。一旦自信を手に入れたら、どんな問題が起こったとしても、次からも勇気を持ってあきらめずに取り組み続けることができるようになるでしょう。そんな自信を全スタッフが持つことができたら、強いチームになるに違いありません。 「店舗内スタッフ同士のコミュニケーション」の質が高まっていくと、お客様からよくこの言葉を耳にするようになります。 「何か感じのいいお店ね」 うれしい言葉です。新型コロナウィルスの影響で自粛ムードが続いておりますが、早くこの言葉を何度もききたいですね。 文:有限会社ヒューマンスキルプラネット 代表取締役 篭池哲哉 氏 大学卒業後、リクルートグループにて求人情報誌関連の営業及び各種企画に携わる。リクルートグループ退社後、流通業を中心として教育コンサルティング会社に入社。企業研修の企画・運営及び人事制度等の構築、またセミナーの企画立案と講師派遣プロダクション業務に従事。平成10年に同社を退社。翌平成11年有限会社ヒューマンスキルプラネットを設立。メンタルとロジックの両面からアプローチできる講師として、様々な企業・団体で研修・講演を担当。人材育成コンサルタントとしても、企業の気づかない課題を見つけだし解決するだけでなく、企業そのものの成長をも導き出すとして、活躍中。