JASPA プロフェッショナルセールス資格取得者八幡智美さん株式会社TSI マーガレット・ハウエル吉祥寺東急百貨店複合店 店長 八幡智美さんプロフィール2006年4月旧(株)アングローバルへ新卒として入社し、MARGARET HOWELL WOMENS吉祥寺東急店配属。 2010年3月同店店長へ昇格。 2012年7月にはMARGARET HOWELL WOMENS新宿伊勢丹店長として異動後、東日本一番店の店長としてブランドを牽引し年間優秀店舗賞を受賞。 2014年12月MARGARET HOWELLでは初めてとなるハウスホールドグッズ、家具、プロダクトに注力した路面店のオープニング店長としてMARGARET HOWELL WOMENS吉祥寺SHOP&CAFE新店のオープニング店長に抜擢される。 2016年2月MARGARET HOWELL吉祥寺東急店の店長として異動し、キャリアが浅いスタッフのロールプレイング研修の指導係や 新卒の一次面接担当としても選考に参加し店長職の役割を超えて活躍。 (株)TSI一社化後の現在は、多摩・吉祥寺エリアのスタッフ交流を図るリーダーとして2023年6月までエリアを牽引しつつ、MARGARET HOWELL WOMENS企画ミーティングにも参加し商品開発にも携わっている。 コロナ禍を経て、気づけたリアルに求められていること。入社してからずっとマーガレット・ハウエルというブランドの店舗で当時16年のキャリアを積んできたのですが、コロナ禍では、その経験を活かせず、鬱々とした日々を過ごしました。お客様への関わり方、またスタッフへのコミュニケーションについても、今までとは違うアプローチが求められましたし、手探りの毎日でした。出会った時からずっとマスクを付けているのでお互いに素顔がわからないままお店を異動したスタッフもいました。そうしたことに、寂しさや歯がゆさを感じていました。また、ご来店頂いたお客様とのつながりを大切にすることが楽しく、やりがいを感じていましたので、様々な制限の中で、お客様のためにできることが少ない状況がとても辛かったです。ただ、その中で気付いたこともありました。お客様のご要望やお気持ちが、より明確になったと感じました。例えば、ECサイトをご覧になった上で、画面上ではわからない色調や素材の相性について、お客様のご希望に沿うものかどうかというお電話でのお問い合わせが増えました。お客様のご要望に直ぐにお応えするために、販売員はブランド情報だけではなく、色や素材、スタイリングなど、幅広い知識を備えることが必要だと再認識しましたし、リアル店舗に何が求められているのかを真剣に考えるきっかけになりました。 お客様の“最適”に寄り添う提案がいかにできるかこれまでのお客様との繋がりや自身のキャリアをどの様に活かしていくのかを考えるタイミングで、JASPAセールスプロフェッショナル資格受験の打診を受けました。社内外で今の私に求められていることは何だろうか、そして今何ができるのか、この先の指針になると思い、資格受験にチャレンジすることにしました。受験をきっかけに、一回一回の接客のクオリティを丁寧に振り返るようになりました。もちろん、16年(当時)というキャリアがあるので、常に最高のパフォーマンスを発揮するべきだと理解していましたが、初めてのお客様にその都度良質な接客ができていたのか、などと考える中で「そのお客様にとって、私の提案が“最適”であるように善処しよう」という思いに至りました。コロナ禍の3年間を通じて、その様な心持ちになったことは、とても大きな気づきでした。“最適”とは、個別化して考えることだと思っています。デザイナーズブランドの接客は、時に画一的になってしまうことがあります。販売員がブランドを正しく理解していることが大前提ですが、販売員のフィルターを通して、お客様それぞれにフィットするように、ブランドの世界観に共感していただけるような、楽しんでいただけるような提案をしたいと思っています。お客様はパーソナルな悩みやお考えをお持ちですから、一回一回の接客を個別化して、お客様の状況やお気持ちに合わせたサービスを提供し、お店での時間を心地よく過ごせるようにしたいと思っています。 【マーガレット・ハウエル】1977年にロンドンでスタートしたファッションデザイナーのマーガレット・ハウエル氏によるブランド。シンプル&ベーシックを基本姿勢に、着心地や機能性を追求し、性別や年齢にとらわれないタイムレスでモダンなデザインを発信。 構成/編集:馬場真由写真:清水洋延