株式会社ミキモト 人事部人材開発課 部長 市川美穂さん市川美穂さんプロフィール1989年 株式会社ミキモト入社。営業企画部広報課(現・広報宣伝課)に配属。 本店営業部(銀座四丁目本店)で販売業務に従事した後、新設の部署であるカスタマーズサービスセンターにて 全社CS向上推進に約7年間取り組む。 その後、営業企画部にて店頭キャンペーンや顧客向け催事の企画・運営、2007年~2018年まで広報宣伝部にて広報宣伝課長、広報宣伝部長として、広報宣伝業務全般を担う。 2018年3月より人事部にて社員の教育研修全般の企画、運営を行う。コロナ禍以降、変わる販売員の役割。今、販売員の役割が変わってきていると思っています。それは、お客様の多様化やコロナ禍を経ての環境の変化など様々な要素がありますが、販売員は単に物を売るセールススタッフではなくなりつつあると感じるからです。今や販売員は、商品に関することだけでなく、自分の働く会社やブランドの姿勢や取り組みなどもお客様に伝えていく役割もあり、「販売職」という呼び方もふさわしくないのかもしれません。 特に最近は、人と直接関わる仕事がしたいと言って販売を志してくれた人が、コロナ禍でそれが叶わない状況になってしまったりするなど、従来とは仕事の内容も変化せざるを得ない部分もあります。そうした状況に合わせて、身につけなければいけない知識やスキルも、今までとは違うものを要求されるようになるでしょう。これからは、販売職はこういう仕事だという概念を変えていかなければならないし、変わっていかなくてはいけないと、強く思っています。 これからの販売員に必要なこと。販売員には、2つの「そうぞう力」が必要だと思っています。ひとつは、イマジネーションの「想像力」。そして、もうひとつはクリエイティビティの「創造力」。お客様の未来が楽しくなるようなことを想像して、そのためにできることを創造していく。このふたつの力が本当に大事だなと思っています。 今、当社の本店などでは、店頭で自社製品を販売員が自分のセンスで身につけるようになりました。こうしたことをひとつとっても、自分でお客様のことを想像して、何をご提案したいのかを創造するという大事な力が必要です。そして、それがそれぞれの個性の表現として、知識やスキルの上に積み重ねられ、更なる販売力になるのだと思います。 販売員の役割や提供するものが変わりつつある時だからこそ、販売の現場でできることも増えてきているのではないかと感じています。販売職は、可能性を広げていける仕事だと思うので、そこに魅力を感じて、このふたつの力を伸ばして、お客様のご満足を創り出すことを突き詰めていけるようなプロフェッショナルな人材をいかに増やすかということに取り組んでいきたいと思っています。 文:馬場真由写真:清水洋延(JASPA事務局)