貴方がハイブランドのドレスを購入したい時、どんな姿の店員から接客を受けたいでしょうか?商品に対する知識が豊富なことや、身だしなみが整っていることはいうまでもありませんが、あなたのその知識をお客様にご提案するには「会話」をしなければいけませんね。あなたから話を聞きたいと思っていただけるには、あなたの姿勢と歩き方が決定すると言っても過言ではありません。あなたが素敵だと、お客様はぐんと“買い物熱”が高まります。「貴方が提案してくれる商品がとっても素敵に見えるわ」とお客様から言われる姿で在りましょう。では素敵に見える、ワンランクアップの立ち方と歩き方を学びましょう。お洋服を美しく見せる立ち居振る舞いとは ズバリ、洋服のラインを崩さない姿でいることです。 Ⅰ 美しい立ち方〜お客様お迎えの姿勢〜首をすっと伸ばし、頭を背骨の真上に置くまず背骨をまっすぐに整えます。このまっすぐが結構難しいものです。なぜなら自分で見えませんから。また首の形状や日頃の癖で「まっすぐのつもりが、顔が前で胸が落ちている」姿勢はよく見受けます。コツは「頭の重さを踵からまっすぐ上がった位置に置く」です。壁に背中をつけて立ち、後頭部を壁につけると普段の姿勢からの違いに気づきます。壁だちで、背骨に「まっすぐ」を記憶させましょう。踵を揃え,膝をきちんと伸ばす。つま先は拳1個分開ける。両肩をやや後ろに引き胸を広げます。腕は素直に体側に沿わせおろします。指先も美しく揃えておきましょう。美しい立ち方頭を背骨のまっすぐ上に、膝ピン!NG:内股は絶対ダメです。猫背にもなりやすく洋服のラインが崩れ疲れて見えます。お店の雰囲気を一気に「格下げ」します。また両手をおへその前で重ねることは、「休め」の姿勢です。 Ⅱ 美しい歩き方〜膝が命〜「膝を伸ばして後ろに床を蹴って前進する」お客様のところに早く行こうとすると、つい顔が先に出てしまう「顔歩き」になりがちです。顔が前に出ると、背中も丸くなり洋服のラインが崩れ、膝が曲がってしまいます。それは脚を短く見せます。慌てず、堂々とスラ〜リと進みましょう。美しい歩き方のコツは、脚長、ゆったりしたリズムです。美しい姿勢(長い首、広い胸)を保ったまま、膝を伸ばして、後ろに床を蹴って前進する。前に着地させる脚の膝を曲げない。踵から着地(ハイヒールではつま先と踵を同時に着地させます)。横から見て「人」という文字を描くように前の脚と後ろ脚で二等辺三角形を作るまで膝を伸ばす。脚がなが〜くスラ〜〜りと見えるコツはここです!それから後ろの脚を慌てずゆったりと前に振り出す。骨盤を回転させたり揺らさないように床と並行を保つ。前から見て両腕は脇を空けない。膝の隙間を開けないように、決してガニ股にならないようにする。 NG顔が前に出て膝を曲げて歩く③の二等辺三角形を作るくらい後ろ足の膝が伸びるまで使う、というのは前後の脚が床についている時間を保つということです。これを両脚支持時間を長くするといいます。美しいと評価されるにはここが大変重要であることが研究で判明しました。ゆっくりとした動きの中にも運動効果を上げる骨格筋の使い方が可能であることも観察されています。 商品は歩けません。美しく歩き、美しくお運びすることは商品にさらにエレガントな印象をプラスする最高のサービスとなります。今はネットでなんでも手に入る時代です。ショップでしか経験できない接客ならではの付加価値をお届けください。 文:KIMIKO(一般社団法人ポスチャーウォーキング協会 代表)ポスチャースタイリスト®1961年生まれ 岡山出身株式会社 THE POSTURE 代表取締役一般社団法人 POSTURE WALKING協会理事長日本ウォーキング学会会員、順天堂大学外部講師、ノートルダム清心学園・清心中学校・清心女子高校外部講師(卒業校)北翔大学大学院 生涯スポーツ学 研究科 在学中産後の体型の崩れを克服するために ウォーキングを学び始める。身体が変わる歩き方の研究を重ね、自ら劇的な体とこころの変化を体験。独自のウォーキングメソッドを編み出し「ポスチャーウォーキング(商標登録)」と命名。レッスン、起業研修、イベント、メディア取材、執筆 メンバースタイリストの教育指導、美しく歩く為の商品開発を行っている。